ケガをした野鳥を見かけたら・・・・・
- 最初はよく観察してみてください。軽微なケガ等については自然に治る場合があります。野鳥は人間が保護することにより体力、精神的にも負担をかけてしまう恐れがあります。やむを得ずケガをして動けなくなっている野鳥を保護した場合は、お近くの獣医さんにご相談ください。獣医さんに相談できない場合は、弥富野鳥園に連絡してください。当園でもケガをした野鳥の保護も行なっていますが診断については、まず獣医さんに見てもらうことが大切です。なお当園から、ケガをした野鳥の捕獲に出かけることはできませんのでご了承願います。
野鳥を保護した場合は・・・・・
- 保護した野鳥より、ふたまわり程度大きいダンボール(鳥かごよりも、羽等が傷つかないのでよい)の、下部に空気穴を開け、中に新聞紙等を敷き、入れてあげてください。
- 羽を膨らまして、震えているようでしたら、ダンボール内にタオルを巻いたペットボトルにお湯(約42℃)を入れて保温してあげてください。
- 種類がわかれば、その野鳥が食べるものとお水を入れてあげてください。種類がわからないときは、野鳥園に電話頂ければ種類がわかるかもしれません。電話でも種類がわからない場合は、パンを小さく切って入れておいてください。
- 毎年、春から夏にかけて多くの野鳥のヒナに関する相談があります。その中の多くは、巣立ち直前のヒナで、飛ぶ練習中に巣から落ちたり、巣から出てきたりしたヒナです。
- ヒナ達の中には、完全に飛べるようになる前に、巣から出てしまうものも多くいて、周囲で親鳥が見守っています。親鳥は、警戒心が強いので人間がいると、なかなか姿を現してくれませんが、近くにいるはずですし、エサもちゃんと与えているはずですので、むやみに捕まえてしまわずにそっとしておいてあげてください。
- 万一猫等が近くにいて、危険だと感じたら、猫に捕獲されないように細い木の枝に止まらせてあげるか、巣が見つかるようでしたら、巣の中に戻してあげてください。
- どのヒナもとてもかわいいので、保護したくなりますが、人間に育てられたヒナがその後自然の中で生きていくことは非常に難しいので、ヒナのためにも拾わずにそっとしておいてあげてください。
よくあるご相談をQ&Aでご紹介します。
- どうしてヒナが地面にいることがあるのですか?
- 野鳥のヒナの多くは、卵からかえって羽が生えそろうとすぐに巣立つので、巣から飛び出す段階ではうまく飛べずに落ちるものもいます。でも、けがをしていなければ、親鳥が給餌や誘導をするうちに、少しずつ飛べるようになると考えられます。
- ヒナを見つけた時は、どうしたらよいのでしょうか?
- 巣立ち直後のヒナはあまり動きません。親鳥は人がヒナの近くにいると警戒してやって来られません。ヒナに手を出して親子を引き離すと「誘拐」になるので、その場を去る方がよいでしょう。
- ネコやカラスに食べられないでしょうか?
- 心配ならば、ヒナを近くの茂みの中に置いておくこともできます。親鳥は姿が見えなくても、ヒナの声で気づくことができるでしょう。
- 人がヒナを育てることはできないのですか?
- たくさんの虫を与え続けるなどすれば、育てられることもあります。
ただ、自然界では巣立ち後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間から1ヶ月)に「何が食物で、何が危険か」などを学習してひとり立ちするので、人に育てられたヒナは自然の中で生きていけるとは限りません。
なお、けがをしている、希少種など、放っておけないと判断される場合は、お気軽に相談してください(野鳥は許可なく捕えたり、飼うことはできません)。